2023年12月17日 説教要旨
「土はひとりでに…」とあります。英語のオートマティック
(automatic)という言葉がここから始まっています。「人間の力が加わらない」という意味です。しかも「ひとりでに」は文頭に置かれており、28節全体を強調しています。種を蒔いた農夫は、寝たり起きたり、普通の生活をしている間に、いつのまにか畑では驚くべきことが進行している。すなわち、蒔かれた種が「芽生えて育ってゆく」のです。ひとたび地に蒔かれた種は、植物を成長させる目に見えない力によって、農夫の気づかない間にどんどん成長して、やがて時が来ると豊かな実を結びます。植物を育てるのは、目に見える農夫の働きではありません。その背後にあって、種を成長させる目に見えない働きです。「いのち」の働きです。農夫の働きは、第一に「種を蒔くこと」。第二に収穫の時に「鎌を入れること」だけです。「地はひとりでに実を結ぶ」のです。農夫が大地の恵みに信頼し委ねているように、人々も神の国の圧倒的な恵みを信頼し信じればいいのです。神の国も作物を成長させる目に見えない大地の働きと同様に、目に見えない神のご支配です。神の深いご計画のもとに私たちを支え導いておられるのですから、たとい自分の力ではどうすることもできない、先の見通しが全くつかないような困難に出会っても、私たちはいつも、もっと良いことが、神のご計画のもとに用意されていることを信頼して、焦ることなく、希望を失うことなく、「明日を信じて生きる」ことができるのです。「一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。しかし、もし死んだら、豊かに実を結ぶようになる」(ヨハネ12:24)
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