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2024年9月1日 説教要旨

パウロに「福音」を信じさせた出来事は何であったかというと「イエス・キリストの啓示」です。この場合、パウロはイエスの幻を見る幻視体験をしたといっているのではありません。使徒言行録9章には、ダマスコ途上での劇的な回心が復活の主との出会いとして起ったことが記されていますが、パウロはこの手紙ではその出来事については何も言及していません。パウロは「イエス・キリストの啓示による」体験をもって、パウロ自身の信仰を大転換させ、一新させる、内的な信仰の体験を、聖霊による出来事として捉えています。そのことは、3章1-5節において、十字架のキリストを見るのは聖霊の働きによることを明確に述べられていることからも確実です。つまりパウロは、「イエス・キリストの啓示によって」という言葉において述べようとしているのは、福音というのは、人からでるのではなく、その権威を与えるのも人ではなく、ただ神からだということを言おうとしているのです。その福音が人間の生き方を変革する、一新する驚くべき恵みの力として働いてる事実を、神はわたしと(パウロ)いう人間において表されたということを、自らの体験を通して証しようとしているのであります。11~12節には「わたし」が繰り返し強調されています。現実の歴史の中で、「わたし」という存在が何か、その意味を深く自覚することができた人間を用いて、福音が宣べ伝えられていることの意義は大きい。パウロたちを通して、異邦人へ、世界の果てまでもキリストの福音が伝えらえれていくことになったのです。神の恵みの圧倒的な驚きの中で、神の恵みに生かされる自由、喜びの人として、今でもわたしたち一人ひとりを造り変えていくのです。

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