2024年3月3日 説教要旨
「ファリサイ派の人々が来て、イエスを試そうとして、天からのしるしを求め、議論をしかけた。」(8:11)主イエスのおられるところへやって来たファリサイ派の人々、彼らは教えを乞うためではなく、主イエスを試そうとしてやって来たのでした。彼らは主イエスがメシア・救世主であるということをどうしても信ずることが出来ず、もしそうであるならさらなる天からのしるしを見せるようにと、主イエスに迫ったのです。それに対して主イエスは深く嘆かれ「どうして、今の時代の者たちはしるしを欲しがるのだろう。はっきり言っておく。今の時代の者たちには、決してしるしは与えられない」(8:12)と戒められました。パン種は、ふくらし粉のことです。パンの中にこのふくらし粉を少し混ぜるだけで、時間とと共にそのパンは大きく膨(ふく)らみます。「ファリサイ派のパン種」とはどういうことでしょうか。
ファリサイ派の人々はモーセの律法を固く守って信仰生活を過ごしてきました。しかし形式的で厳格な律法主義は、いつの間にか人が人を裁くという律法主義になり、いのちの道を内側から滅ぼします。ヘロデのパン種とは、ヘロデに代表される権威主義のことです。外側からいのちを抑圧します。武力による権力に身をゆだねて滅びることのないように、あるいは、この権力に加担することのないように、と戒めておられます。主イエスは、真のいのちの道、神の国を仰ぎ、悔い改め福音を信じる生活、「信仰によって生きる」主イエスのパン種を弟子たちに知ってもらいといと願っているのです。
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