2020年5月10日 説教要約
- aomori1879
- 2020年5月9日
- 読了時間: 2分
人類(ホモ・サピエンス)の起源はアフリカにあると言われています。その進化の過程で約5万年前には神経学的な進化が起こったという説があります。(R・クライン)あるいは7万年前に「認知革命」(ハラリ)がおこり、現代人的な行動が始まったという「サピエンス全史」もあります。最近読みました『人類がたどってきた道』(海部陽介)によると、驚くべきことに、すでに14万年まえには貝の採取、11万年前には漁をしていた遺跡が発見されているとのこと。いわば長い期間「知の遺産の継承」が旧石器時代、文明誕生、現代にいたるまで、知力の進化という見方ではなく、文化的に全地球的に多様に発展してきたという見方がとても新鮮でした。 さて、主イエスの十字架の後、弟子のペテロたちは故郷に帰り漁師の生活にもどります。ある日、漁をしていても何も獲れませんでした。ベテランの漁師として、ペテロたちは湖での漁業の仕方という遺産を代々引き継いできたに違いありません。でも成果が無いときもあり得るのです。ここで復活の主が「舟の右側に網を打ちなさい」と示唆します。これは、右側に漁のポイントがあるとか、新しい漁法の知見があるとかという話しではないのです。なぜ「舟の右側」なのでしょうか?あの日は 「沖に漕ぎ出して網をおろしなさい」(ルカ5:4)であって、右側とかではありませんでした。ここに理屈や科学的根拠とかいうものを越えた「信仰」の世界があります。人間の文化の継承を超えた信仰の力強さが示されています。信仰とは主の御言葉に従うということです。従う決心をするということです。主イエスの言葉に従って網をおろしたところ、大漁の感触がやって来ました。ペテロだけではありません。一緒にいた弟子たちに、かつて主イエスと共に歩んできたあの日々の喜びがよみがえってきました。まさに信仰の復活です。それも新しい信仰の復活です! 私たちも主イエスの十字架によって救われた者です。私たちも人間をすなどる弟子へと招かれています。共にいてくださる復活のイエス・キリストの声に祈りながら、耳を傾けましょう。教会員皆が、協力し合い、これからも「舟の右側に網をおろして」行きましょう。
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